07.設備(給排水・電気)調査診断・改修設計業務

1.TRCの設備改修業務について

近年、分譲マンションは供給の増加とともに、国民の重要な居住形態として定着してきています。 マンションのストックの増加により設備の経年劣化によるトラブルも増加し、マンションの購入形態が、投資形から恒久的な居住形への移行により、設備の将来への維持管理の重要性が増しています。 弊事務所は、恒久的に快適な居住性を維持するため、「設備調査診断及び改修計画・設計」を主な業務として長年取り組んで参りました。

下記に、「設備調査診断及び改修計画・設計」の主な業務の流れを示します。
ヒアリング  調査診断(目視・触診調査、内視鏡調査)  調査診断報告書 作成 
 改修計画・設計  施工業者選定補助  工事監理  工事完了
尚、弊事務所では「施工」は行いません。

2.設備調査診断業務

(1)給水設備
①共用部配管
マンションが建設された時期により、給水システムや配管材料が異なります。
昭和後半~平成初期に建設された建物では、以下のシステムが主流です。
給水システム方式 : 受水槽+揚水ポンプ+高置水槽の「重力式給水方式」、または、受水槽+加圧給水ポンプの「加圧給水方式」が主に採用されています。
配管材料 : 直管部が塩化ビニルライニング鋼管+継手部に樹脂をコーティングしたコート継手が主に使用されています。しかしこの組合わせでは直管端部切断面の鉄部が直接水に触れて、錆が発生し,その結果「赤水の発生、錆こぶの成長による水量低下、漏水事故」が起きています。
②水道メーター廻り配管
配管材料は共用部と同材質が使用されている場合が多いです。
加えて、水道メーター・止水弁・減圧弁等の鉄以外の金属部品が多く使用されており、異種金属が引き起こす電食により、他の部位より早く錆劣化が進行します。
③専有部配管
塩化ビニルライニング鋼管+コート継手が使用されている場合は、錆劣化による「赤水の発生、錆こぶの成長による水量低下、漏水事故」が起きています。専有部は配管径が20A以下と細いため、特に錆劣化が顕著に現れます。
④給水管劣化診断
配管内の状況を把握するため、「内視鏡調査及び配管抜き取り調査」を行い、劣化進捗度を調査します。
調査をもとに最善の改修案をご提案します。
配管改修に際し、給水方式を水道直結増圧方式に変更し、「おいしい水」と「維持管理費用の低減」を図るマンションが多くなっています。
外観目視調査
共用部給水管腐食
量水器廻り鉛管使用
給水管腐食
内視鏡による配管内の調査
調査機材(内視鏡)
内視鏡挿入調査
給水管内写真
配管の抜き取り調査による管内調査
専有部配管サンプル
専有部配管サンプル
共用部配管サンプル

(2) 排水設備

旧年、雑排水管(流し、浴室系統他)に「亜鉛メッキ鋼管(白ガス管)」を使用している事が多いです。
「白ガス管」は、排水管内に発生した腐食性ガスにより管内を腐食され漏水するトラブルが増しており、特に流し系統の排水管で顕著にみられます。

近年に建てられた建物は、管内の腐食を考慮して、「耐火二層管、排水用塩化ビニルライニング鋼管」等、内面に腐食性のない塩化ビニル系の材料を選定することが多いです。
弊事務所では、配管内の状況を把握するため、「CCDカメラ調査」を行い、劣化進捗度を調査します。
調査をもとに最善の改修案をご提示いたします。

排水管の改修工事は外装の大規模修繕工事や共用部給水管改修工事と比較すると、共用配管でも専有部内での作業が中心になる為、住民の合意形成が特に求められます。

外観目視調査
床下排水管腐食
排水管鉛管使用
通気金物腐食
CCDカメラによる配管内の調査
調査機材(CCDカメラ)
CCDカメラ調査風景
排水管内写真
(3) 電気設備
初期診断は、外観目視・触診等により、器具の劣化及び異常を判断します。
二次診断として、絶縁試験による抵抗値測定を行い、機器・器具・電線類の劣化調査を行います。

旧システムのマンションについては、現時点でのエコシステムをご提案し、
「改修計画・設計」を行います。
外観目視調査
分電盤内調査
器具外観調査
器具外観調査

3.設備改修計画・設計

調査診断報告書をご提出後、貴マンションに最もふさわしい計画案をご協議の上、ご提案させて頂きます。

給水管・排水管設備改修計画プラン図